[Photo by Harold Meerveld]
犬曰く、去る8月6日嬉しい3周年を迎えることができました!
一般的なしつけやトレーニングそして海外犬事情の記事はもとより、犬の認知科学、行動学、遺伝学、ブリーディング倫理、アニマルウェルフェア、飼い主心理学、ノーズワークにガンドッグトレーニングについてなど、かなりマニア的犬記事を網羅した日本における超希少なるサイト。にもかかわらず、こうして存在し続けているのは、私たちのオタク的情熱に皆さんが共感し支えてくださっていることに他なりません。
さて、今月8月は3周年記念月間として、週に1度3週間に渡りみなさんにぜひもう一度読んでいただきたい過去記事をテーマ別に紹介しています。今回はその第3回目。テーマはこの一年で一番人気があった記事。そのベスト10発表です!1位から順に紹介しましょう。
第1位 👑 狩猟とアニマルウェルフェア:スウェーデンの狩猟の見学から
狩猟関係の記事がなんと堂々の1位!スウェーデンは、狩猟が広く国民に受け入れられている珍しい国でもあります。動物福祉、動物ウェルフェアの水準が高い国として知られているだけに、狩猟が受け入れられているなんて、なんか矛盾しているようにも聞こえます。その答えを犬曰くライター陣に新たに加わっていただいた獣医師でもある金森万里子さんに語ってもらいました。彼女の初めての北欧の狩猟見学はどういうものだったのでしょうか。狩猟をテーマにするとどうしても「私には関係のないことだから」と敬遠されがちになるのですが、非常に人気記事となり多くの人に読まれました。金森さんのとても優しい語り口も魅力です。
第2位 🥈 犬のトレーニング、学習理論だけに凝り固まらぬよう
学習理論はトレーナーとしては大事な知識です。でも、それだけじゃない、という意外性というか実はあたりまえなことに気がついた、という読者の方も多かったのでは?そして、トリックは教えられるのだけど、今ひとつ愛犬と関係性がうまく結べないとお困りの人、必読です。もしかしたら、もしかしたら、「コレ」が原因なのかもしれないですよ〜。学習理論は方程式を覚えるみたいで楽だけど、犬の学習にはいろいろなパターンがあります。
第3位 🌻 繁殖衛生という概念
「繁殖衛生」という言葉、みなさんご存知でしょうか?とってもいい言葉だと思うのです。そして犬曰く読者の多くの方もそう思ってくださったかと!ドイツ語圏の国における犬の繁殖衛生とは、繁殖を通して伝搬する疾患全般の予防を意味するものだといいます。ドイツの「スイス・マウンテン・ドッグ協会」がバーニーズ・マウンテン・ドッグの健全性を守るためにどのようなことをしているのかを例に解説しています。
第4位 芸を教える場所じゃない、スウェーデンのパピー教室 その1
スウェーデンでは子犬を家庭に迎えたら、まずはパピー教室に通います。パピー教室はしかし「お手」などの芸を教える場所にはあらず。子犬が飼い主さんと強い絆を作るためにいくところ。その絆の作り方を飼い主が学ぶところでもあります。スウェーデンのパピー教室の様子を紹介。皆さんも簡単に実行できる子犬エクササイズも説明します。
この続編として「パピーパーティのないパピー教室」でもスウェーデンでのパピー教室事情を紹介しています
第5位 罰を使うトレーニング方法が犬の気持ちにもたらす悪影響
罰を使うトレーニングの悪影響についての学術的研究。都市伝説ではなく、本当に悪影響があることが証明されたという意味でも人気の記事となりました。本格的なトレーニングをしていなくとも、犬と暮らす上ではしつけ的な部分で何らかのトレーニングを行うものです。その時、罰を使って犬をトレーニングしようとすると、犬自身に悪影響を及ぼすばかりか飼い主との間の絆にも…?トレーニング方法が犬に与える影響を調べた最新の研究です。
第6位 するかしないか、するならいつか?不妊化手術と病気の関係
犬の不妊化手術には賛否両論があります。そしてそれにまつわる研究がたくさん報告されています。ある研究は不妊の悪影響を、ある研究は好影響を。これではとても頭の整理がつきにくいですね。というわけで、このブログでは、これまでのいくつかの犬不妊化手術の影響にまつわる研究についてリストアップしました。保存版となること間違いなし!
こちらの記事も同様に人気になりました。
第7位 テレビの犬番組の見かた
コロナについて庶民の心理を煽るようなテレビの報道の仕方が今問題になっていますが、犬トレーニングのTV番組については?どこまで信じたらいいのでしょう?スウェーデンにおける犬番組事情を記しました。もしかして、少し批判的な目で見ておいた方がよさそうなのは、スウェーデンのみならず、日本でも同様かもしれませんね。
第8位 何が愛犬をビビリにするのか?5つの後天的要因
残念なことですが、日本の犬たちの多くはビビりやすい性格をもっているように見受けられます。犬がビビりやすい気質をもっている、というのは実は動物のウェルフェアに関わる深刻な問題でもあります。怖がりで世の中を生きるというのは、決して楽しいことではないからです。だからこそビビリ気質については多くの調査が世界の犬学研究者の間で行われています。この記事では先天的ではなく(=遺伝的要素ではなく)、犬がビビリになる後天的要因(=生まれたあとに影響をあたえるもの)についてその5大要素が明らかにされたという最新犬学研究を紹介します。
第9位 「あなた、犬をみていませんよ!」と飼い主さんに言う前に
今年から犬曰くライターとして主力陣に加わってくださった臨床心理士の北條美紀先生。先生の【犬の飼い主の心理学教室】ブログは毎回大人気!犬をとりまく人々の心理を読み解くエキスパートならでは。犬を知るためにはまず飼い主が己について知らなくてはだめ。人と密接な絆を持つことができる犬だからこそ、人の心理についての知識はとても大事なものなのです。さて、ここによくある話を紹介しましょう。どうしてトレーナーが何度も同じことを言っているのに、飼い主さんはなかなか理解しないのか。逆にどうして飼い主が何度も同じことを訴えているのに、トレーナーさんは理解しないのか。このすれ違いはどこから来る?「あなたって犬をまったくみてないのね」と相手を決めつけてしまう前に、こちらをまず一読!
第10位 飼い主が他の飼い主を叩く心理
こちらも北條美紀先生の記事。相手を徹底的に叩く。今、SNSでも中傷誹謗が問題になっていますね。時には人を死にすら追いやってしまう…。さて、人の落ち度を見つけて叩くというのは、犬愛好家の世界にもありがちな現象です。「私保護犬飼ってます。え、あなたペットショップで!?」など。他者と比較して優劣や正誤を確認したいという欲求はいったい人の心理のどこから来るものなのでしょうか。
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