[photo by Annie Thorne]
犬曰く、嬉しくも3周年を迎えることができました!
一般的なしつけやトレーニングそして海外犬事情の記事はもとより、犬の認知科学、行動学、遺伝学、ブリーディング倫理、アニマルウェルフェア、飼い主心理学、ノーズワークにガンドッグトレーニングについてなど、かなりマニア的犬記事を網羅した日本における超希少なるサイト。にもかかわらず、こうして存在し続けているのは、私たちのオタク的情熱に皆さんが共感し支えてくださっていることに他なりません。
さて、今月8月は3周年記念月間として、週に1度3週間に渡りみなさんにぜひもう一度読んでいただきたい過去記事をテーマ別に紹介しています。今回はその2回目。テーマは
「こんなはずじゃなかった、人気イマイチのがっかり記事」
前回にも述べましたがライターは時々世間のウケ狙い関係なしに自分が感じていることを表現したいという情熱に駆られて書いているものです。同時に「これは絶対に皆さんの心をくすぐるな!」と思い、さらに熱をいれて書き上げた記事もたくさんあります。がその中には今一つ日の目を見ずに過去記事として埋もれてしまうものもあるのですね。ならば、そのような編集部イチオシの記事たちにもう一度表舞台に出てもらいたいと思った次第です。
アメリカの家庭犬不妊去勢の風潮を嘆く- 便利なペット文化に警鐘を鳴らす
この記事が想像していたほどに人気が出なかったのは、多分日本では不妊去勢をするのが「いい!」という風習がだんだん広がり始めているからなのかもしれません。そこに「ちょっと待った、本当にそう?」と疑問を問いかける記事です。この疑問を提唱したのは、犬の不妊去勢が当たり前であるアメリカから、犬の認知行動学博士として有名なアレクサンドラ・ホロウイッツ。冷静な彼女の「アメリカよ、ここがおかしい!」という問題定期、ぜひ読んでみてください!考えさせられることいっぱいです。
犬のトレーニングを「かわいそう」と思う人へ
トレーニングとかしつけ、は何か支配的な嫌な響きのある言葉なのかもしれません。筆者がこの記事を書いたきっかけは実は他でもない、犬たちのウェルフェアを向上させたかったからです。リードを引っ張る犬も、きちんとトレーニングを受けていればもっと自由が手に入っているはずなんです。しかしトレーニングは可哀想…、でも、引っ張られるのは辛い、じゃ、バギーに乗せて散歩をすればいい?…ってそんな議論のままでいいのかしら。
ブルブルの科学
犬は濡れた時にブルブルっと体を振りますね。人には真似できない速さです。ブルブルをなんと科学的に分析、動物によってブルブルの速度を測定。犬は一秒間に何回ブルブルができるか?小型犬と大型犬、どちらがブルブルの速度が速い?….そんなこと知ってどうするの、ということを科学するオタクさが、犬曰くライター尾形聡子さんのツボにはまり記事を書くきっかけとなりました。特に最後の動画必見、美しき青きドナウの優雅なメロディーにのってブルブルする動物たち!
愛護、ウェルフェア、飼い主マナーにエチケット、白黒つけられぬこの曖昧なもの
読む、ということ。これは私たちが何か答えを探している故の行為なのでしょうか。だとしたら、このブログの人気がないのも理解できます。タイトル「…曖昧なもの」と謳っていますが、これでもう答えがないと言っているようなものですね。しかし、ヒトという動物を客観的に見つめると、実は矛盾だらけ、かなりの部分で「感情」に翻弄されている動物であることがわかります。曖昧というと科学的ではないのですが、しかしそれがヒューマン・ネイチャー!そう、科学そのものなのです。それを理解した上で、私たちが持つ倫理とかモラルについて犬曰くスタッフで討論しながら考えてみました。対談の中ででてくる尾形聡子さんのコメントは名言ですね。
「世界を2分化して考えてスッキリできることってほとんどない」
ぜひ、読み込んでみてください。考えてみてください。
飼い主の自己満足に陥らないよう… 過剰な老犬介護について私が思うこと
「オーストラリアでは、寝たきりになった犬にオムツを履かせて介護する飼い主を見たことがない」
と五十嵐廣幸さんはこのブログで語ります。過剰な老犬介護については、つい最近犬曰くで発表した座談会「ペットの安楽死と日本の犬文化」にもでてきたテーマです。そちらの記事も是非参考にしてくださいね。犬をできるだけ長生きさせるための過剰な介護。もしかしてこの現実に目を背けたい人も中にはいるのかもしれません。誰のための介護…? 本当に犬のため?そんなことを五十嵐さんは私たちに問いかけます。
犬の行動に影響する、遺伝子環境相互作用
パピーミルから仕入れているペットショップの犬たちの気質について、そのウェルフェアについては世間で多く語られています。そして、個人で趣味的にブリーディングしているブリーダーから子犬を得る方が身体及びメンタルがより健全な犬が迎えられる 、と一般的に言われています。この記事はそれをまさに学術的に説明したものなのですが、意外にビューが少なかったのですね。これまでにいくつか研究がありましたが、これも興味深い報告です。環境と遺伝。この二つは切っても切れない関係なのです。
国民一人当たりGDPの高い国ほど、犬を飼わない?
え、皆さん、こういう記事ってあまり興味ない?すごく面白いと思ったのだけど!国民一人当たりGDP(国内総生産)の高い国ほど、犬を飼わないという統計があるんですよ。その反対かと思ってしまいますよね。これは一体どうしてなのでしょうか。もしかしてアニマルウェルフェアと関係がありそう…? 世界40カ国のペット事情を比較したアメリカの心理学教授ハーツォーグ氏の研究の考察です。
痛がりな犬種?
やたらと痛がる犬っていますよね?ほら、ジャーマン・シェパードなんてその典型かもしれません。あんなに颯爽としてかっこいいのに獣医さんでヒーヒー声をあげていたりします。痛がりはきっと感受性の違いなのかもしれません。ならば犬種によっても違うものなのかも?というわけで、この度アメリカで一般市民と獣医師に対して犬種と痛み感受性についてのオンラインアンケート調査が行われました。その結果、どの犬種が一番痛がりであることが判明したのでしょうか?皆さんの予想は?!
マッチングサイト恋愛最前線!男と女の間の「ペットという潤滑油」
「犬と人の関係学」という学問の手にかかると、マッチングサイトで「犬好きな交際相手をみつける」という恋活ですら研究のネタとなる!さて、マッチングサイトでモテるにはどうしたらいいのか?女性は犬好き男性に何を求めているのか?そして男性は…? 果たしてプロフィール写真に愛犬を載せていいのか、NGなのか?こんなことまで研究されているんですねぇ。筆者はこの論文を読んだときにすごく納得して思いっきり笑いました。記事ではこの研究からの統計も紹介してます。こちらとくとご覧あれ!「もう腫れたの惚れたのっていう歳じゃないから、こんなもの興味ない」って?いや、ヒトという動物を知るためにも是非読んで〜。とっても科学的よ。
【関連記事】