アメリカの家庭犬不妊去勢の風潮を嘆く- 便利なペット文化に警鐘を鳴らす

文:藤田りか子

【Photo by Mikkel Rask

世界的に有名な犬の認知行動学の博士、アレクサンドラ・ホロウィッツ(アメリカ、コロンビア大学バーナード・カレッジ教授)がアメリカにおける「家庭犬の不妊去勢風潮」への嘆きをThe New York Times(2019年9月3日付)に社説として記事を出していた。学者らしく冷静にさまざまな事実をもとに考察は行われており、記事はアメリカ人にとってかなり耳の痛いところをついていたと思う。オーストラリア、ニュージランドに並びアメリカは家庭犬の不妊去勢が文化といってもいいほど進んでいる国だ。その国でどうしてこの習慣について今更批判をするのかとても興味をそそられた。

ちなみにホロウィッツは日本の愛犬ファンの間でもおなじみの犬学博士だ。犬がいたずらをした後に見せる「ごめんなさい」の表情は本当にそう思って行なっている行動なのか、という研究に覚えがある人もいるのでは?最近は犬の嗅覚を通しての認知研究を多く発表しており、犬曰くでもいくつか論文レビューを紹介している。

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不妊去勢手術をする=責任ある飼い主?

アメリカでは年に数百万の犬が捨てられている。ほとんどは地元のヒューメインソサエティ(アメリカの動物愛護団体)などに送られ、貰い手がなければ殺処分を受ける。20年以上前の研究だが、それによると犬を捨てる飼い主の動機のほとんどが犬の問題行動であり、捨てられた犬たちはほぼ未去勢だった。

それゆえアメリカでは自分の犬を不妊去勢していない飼い主は白い目で見られるともホロウィッツは述べている。なんといっても犬世界のキャッチフレーズは

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