文と写真:藤田りか子
ミミチャン(左)と母犬アシカ(右)。この通り、見かけはあまり似ていない。そして中身も!
同じ犬が欲しかったのだけど
ちょうど先週ミミチャンが一歳を迎えた。去年の今頃は産箱の中で芋虫のようにモゾモゾと動く黒い塊にすぎなかった。今ではまるで脱皮をしたかのごとく、長い脚で森を駆け巡る立派な若犬。ここまで成長してくると、その犬の持つ性格や特質がより明らになってくる。
ただし彼女は母犬アシカと同じどころか似てもいない。そのことについては、9週齢ぐらいからうすうす気がついていており、最初は少しがっかりしていたものだ。しかしこの1年間、彼女の体と脳の成長と発達を目の当たりにしながら
「ミミチャンにはミミチャンの成長ペースがある」
ということを理解するようになった。それはとても大事な認識であり、これこそ「生き物のありようを知る」ということでもあるのだろう。そんな悟りに至ったと同時に、