文:北條美紀 写真:藤田りか子

これまでにも犬曰くの中で、ガンドッグの競技やトレーニングに関する数多くの記事を目にしてきた。そこでの私の浅い理解は、ガンドッグとは、犬を正確にダミーへと導くハンドラーの「技術」を競い合うもの、ということだった。しかし「ガンドッグトレーニング イギリスの先生にしごかれる、の巻」を読んでみて、ガンドッグの成績を左右するのは、ハンドラー自身が変化し続ける状況をどれだけ正確に読み、どのタイミングで介入できるかという判断力と、そこで巻き起こる認知だと分かった。
記事にもあったように、「あの場面でもう少し早く合図を出せばよかった」と感じることは少なくないようだ。ただ、その一瞬の遅れを単なる経験不足や反応速度の問題として片付けてはいけない。そこには、藤田さんも指摘しているヒト特有の「認知のくせ」が関係している。そしてもう一つ、今回は認知心理学、スポーツ心理学などで研究されている「オンライン意思決定」の視点を加えてみたい。私の予想では、ハンドラーのオンライン意思決定力が結果に強く影響しているように思える。

