文:尾形聡子

[photo by Михаил Решетников]
「うちの子、ちょっと自制心がないのよね」
そんなふうに愛犬を表現したことはないでしょうか。
たとえば、散歩中に気になるものを見つけると、考えるより先にそちらへ向かってしまったり。他の犬を見つけた途端に興奮して、飼い主の声が耳に入らなくなったり。ボールが投げられれば、合図を待たずに飛び出してしまう。このような行動を見ると、「インパルス・コントロールが苦手な犬」と考えたくなるかもしれません。
インパルス・コントロールとは、簡単にいえば、目の前にある刺激にすぐ反応してしまうのではなく、いったん自分の行動を抑える力のことです。人とともに暮らす犬には、日常のさまざまな場面でこの力が求められます。そのため、犬のトレーニングでも「待つ」「飛びつかない」「追いかけない」などの練習を通して、インパルス・コントロールを身につけることが重視されてきました。
けれども、ここで少し考えてみたいことがあります。「待てない」「すぐに行動してしまう」犬の中で起きていることはすべて同じなのでしょうか。
大好きなボールを見て

