文:尾形聡子

[photo by PaulShlykov]
和犬にお馴染みの三角形に凛と立った耳、ジャック・ラッセル・テリアのような耳の先端だけが垂れている耳、あるいは、バセット・ハウンドのように長く垂れ下がる耳。「犬」という動物種は、体の大きさだけでなく、あらゆる場所に大きな形の違いが存在する生き物です。
私たちは普段、犬の耳を「立ち耳」「垂れ耳」といった言葉で分類して捉えています。しかし実際には、その形はもっと連続的です。少しだけ前に折れた半立ち耳、短く軽い垂れ耳、さらには顎を超えるほど長い垂れ耳まで、耳の大きさや厚み、長さ、付き方も含めれば実に幅広いバリエーションが存在しています。
このような耳の違いが生まれるのはなぜなのでしょうか。
2026年、アメリカのジョージア大学とミネソタ大学の研究グループは、犬の「耳の長さ」に注目したゲノム解析研究を発表しました。これまでにも、犬の立ち耳・垂れ耳に関連する遺伝子領域としてMSRB3と呼ばれる遺伝子周辺が関係していることがわかっていましたが、今回の研究は、単純な「立つ・垂れる」という分類ではなく、「耳が

