文:藤田りか子

[Photo by Nauval Hilmi]
ラリーオビディエンスの競技ハンドラーとしてまたインストラクターとして知られているAさんがいつだったか、教室を開催しているときに
「トレーニング中、犬が課題を遂行するのを拒否しても、がっかりする必要はないのです」
と説明をしてくれたことがあった。私は別にラリーオビディエンスをやっているわけではないが、彼女のドッグトレーニング基礎の作り方などを知りたくて、見学者として見に行った折のことである。
「たとえば、犬に塀をジャンプするよう求めたとします。しかし犬はためらっています。もう一度飛べといっても、やはりためらっています。そんなとき、人はつい、何度も言い聞かせる、トリーツを見せて誘導する、ご褒美で釣ろうとする、といったことをしたくなるかと思うんです。あるいは、『この犬はできるはずだ。これまで何度も塀をジャンプしてきたのだから』と、イライラしながらリードを軽く引いてでも無理にジャンプさせようとするかもしれません」
こんな風に反応してしまうのは、いかにも「人間」なのだが、ただし私たちはちょいと見方を変えてみては、とAさんは言うのだ。
「犬からの反応は「NO(やりません)」なんですよね。ならば

