文:尾形聡子

[photo by Ermolaev Alexandr]
犬の寿命は体の大きさによって大きく異なります。とりわけ超大型犬は寿命が短く、あまりの短さゆえに犬の福祉上の問題ではないかと考えられ、数々の研究が行われています。たとえば「大型犬がかかりやすい病気、小型犬がかかりやすい病気」や「犬のがん発症年齢と、サイズや犬種、性別との関係」の記事で紹介した研究で示されているように、体の大きな犬の方ががんに罹りやすいことは、犬の寿命を短くする原因のひとつだと言えます。
しかし、なぜここまで犬の寿命の長さに差があるのか?その理由は体の大きさだけではありません。遺伝的な問題(犬種内の遺伝的多様性の減少)も寿命に大きな影響を与えています。
さらには遺伝的多様性の回復が見込まれず、ノルウェーではブルドッグとキャバリアの繁殖が禁止になったのは記憶に新しいことです。もはやブリーディング戦略をもってしても、この2犬種は健康上の福祉を守ることができないという判断です。
このような犬種の危機的な状況に対応すべく、北欧ではクロスブリーディングという繁殖方法を取り入れ、犬種の健全性の回復に努めていることは以下の記事にてご覧いただけます。
とはいえ、ブリーディングによる犬種の健全性向上から寿命が延びるのを期待するには時間がかかります。そのためにも、犬種の健康状態を把握し、今を生きている犬たちの寿命がどのように変化しているのか、延びているのか、あるいは短くなっているのかという現状を把握し続けていくことも犬たちの福祉を守っていく上で重要です。
そのような研究のひとつとして、


