文:尾形聡子
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カルピスやヨーグルト、漬け物などの発酵食品に含まれる「乳酸菌」は、古くから人の健康維持や増進に役立つ善玉菌として知られています。乳酸菌のような微生物、またはそれを含んだ食品のことをプロバイオティクスといいますが、プロバイオティクスは腸内環境を整えたり消化を助けたりするだけでなく、免疫機能を高めて感染防御やアレルギー反応の抑制をしたり、認知機能を改善したりするなど、さまざまな効果があることがわかってきています。
プロバイオティクスのひとつに、「ラクチプランチバチルスプランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)SP128」という乳酸菌があります。SP128は台湾の客家(ハッカ)という民族の伝統料理であるカラシナの漬け物から単離されたもので、このSP128をマウスが摂取すると、腸脳軸(gut-brain axis:腸と脳は自律神経系やホルモンなどを介してお互いに影響を及ぼしあう)を通じて脳のセロトニンレベルを