文:尾形聡子
[photo by Karon Elliott Edleson] 世界的人気の家庭犬、ゴールデンレトリーバーは十分散歩が与えられている?
犬のウェルフェアを考える上で欠くことのできない日々の散歩やアクティビティ。これまで犬曰くではことあるごとに散歩の大切さについて発信してきました。世界中で肥満の犬が増える昨今、運動不足は肥満を招くリスクを高めることから健康への悪影響も懸念されています。
しかし、世界的に、すべての飼い主が十分な散歩を犬に与えているわけではない現状があります。藤田りか子さんの「不安、孤独、肥満。退屈して怖がりで。理解されず、でも愛されている… が日本の家庭犬?」では、動物好きで有名な国イギリスでさえ飼い主の13%が毎日散歩をしているわけではないという調査結果や、「健康になるという理由だけで犬を飼うなかれ」では飼い主の半数近くがほとんど散歩をしていないという調査結果が紹介されています。さらに「犬種別に見た愛犬運動量の統計結果」では、わずかながらもまったく散歩をしない人が!犬種や体のサイズ、年齢、健康状態によって必要とされる運動量に違いはあるとしても、まったく散歩をしないというのはある種ネグレクト的な行為とも考えられ、由々しき事態と言っても決して過言ではないでしょう。
このような散歩状況のところに、さらに外での活動時間を減らす可能性のある要因として挙げられるのが気候です。気温が高くなる夏場(日本においては湿度も)だけでなく、冬の寒い時期にはたとえ健康な犬でも小型犬や短毛で毛量の少ない犬などにとって、散歩にでかける意欲が低下する可能性があります。そこで、英国のノッティンガム・トレント大学とハーパー・アダムス大学の研究チームは、寒さ暑さの気象条件が犬の日々の活動量に与える影響を調査すべく国際的なオンラインアンケート調査を行い、結果を