文:尾形聡子 写真:藤田りか子
【Photo by Rikako Fujita】
犬曰くファンの皆さんにはすでにお馴染みのドッグスポーツ、ノーズワーク。藤田りか子さんの数々のノーズワーク記事を読んで愛犬とノーズワークを始めた方も大勢いらっしゃることでしょう。ノーズワークは犬の “においを嗅いで何かを探す本能” を大いにかきたて、発見したときの喜びはまさに「エウレカ!効果」をもたらすものであるのはすでにご紹介してきていることです。
犬がノーズワークを通じて得られるこのような体感を科学的に実証した研究が『Applied Animal Behaviour Science』に発表されています。研究を行ったのは犬のにおい研究で有名なアレクサンドラ・ホロウィッツ博士(アメリカ、コロンビア大学バーナード・カレッジ)とフランスの犬の行動学研究所EthodogのCharlotte Duranton博士です。
ホロウィッツ博士の研究はこれまで『犬は匂いで自己認識~視覚ではなく嗅覚で』や『匂い時計を持つ犬』にて紹介していますが、なんといっても彼女の著書『犬から見た世界』が出版されたことで、犬のにおいの世界というものが広く知られるようになりました。そして昨年、日本語で翻訳出版された『犬であるとはどういうことか』の中ではノーズワークについても述べられています。
個体の行動と意思決定に影響する「認知バイアステスト」
それでは最近発表された研究について紹介していきましょう。研究では言語ベースで人にも使われている「認知バイアステスト」が行われました。認知バイアスとは