文と動画：藤田りか子
[Photo by Axel.E]
ガンドッグトレーニングだなんて「私には関係ない」と言わずに、ぜひ、関係ないと思う方も読んでほしい。このトレーニングにはなにしろガンドッグのみならず、良き幸せな家庭犬となるために必要な、ありとあらゆるエッセンスが詰め込まれている。そして飼い主さんが犬にとっての「ドアマット」的な存在にならないためにも大事なトレーニングなのである（ドアマット：存在もほとんど認められず、踏みつけられて利用されるだけの比喩）。
ドアマットとなってくれた飼い主の犬は幸せ者か？
先日ミミチャンといっしょに南部スウェーデンまで500kmの道のりを運転、ガンドッグトレーニングのスキルの一つ、ウォークアップのトレーニングに参加した。気温は3度。時折1月の冷たい雨に見舞われる悪天候下ではあったが、トレーニング自体はすごく素晴らしいものとなった。
朝10時に始まり、ランチブレークなし、4時間半みっちり行われた。このトレーニングの間、犬はずっとヒール状態で行儀良くハンドラーの横にいなければならない。そして犬をそんな風な状態にキープしておくために、トリーツで興味をそそろうだなんて考えない方がいいだろう。トリーツでしか犬の気をを引けないのであれば、とても4時間半のトレーニングは持たない。もしくは我々ハンドラーがトリーツ袋5kg分を用意すれば話は別かもしれないが、そんなに犬に食べさせるわけにはいかない。
ならば犬にとって何がハンドラーの横に長時間つくモチベーションとなっているのだろうか？
ガンドッグのトレーニングが家庭犬のトレーニングのベースであるのは、まさにこの部分だと思う。何しろ家庭犬としての犬の振る舞いとは、オビディエンスやアジリティにおける5分や10分の一瞬のパフォーマンスで成り立つのではなく、延々と何時間も続くものだ。つまり日常こそが家庭犬のパフォーマンス
