ラブラドール・レトリーバーのミミチャン、いよいよ思春期に!

文と写真:藤田りか子

ヤンチャ盛りのピーク!ミミチャン。

アシカの子犬であるミミチャンも、今や子犬と呼ぶには少々デカくなり始めている。体重は20kg。8ヶ月齢のジュニア期に突入するところである。8ヶ月といえば!そう、思春期が訪れる頃。別名「反抗期」。アシカに関しては反抗期を感じたことはほぼなく(「思春期の反抗期がない犬」を参考に!)、こんな犬が世に存在するんだ!と感動したし、おかげでずいぶん楽もさせてもらったものだ。が、さてミミチャンはいかに…!?

いやはや、彼女には思春期と思しき兆候が、確実にあちこちに見え始めているのだ。今のところ飼い主でなければ見つけることができないほどビミョーな行動変化である。だがこのような変化を見逃さず、それに対処する、あるいは伸ばしてあげる、というのも大事なことだ。彼女に観察できたこのところの変化について、以下に紹介しよう。

思春期の反抗期がない犬
文と写真:藤田りか子 犬の思春期について初めて学術的に調査がなされた。都市伝説でもなんでもなく、確かに犬には思春期や反抗期があるのだ…【続きを読む】

自分で走り回る範囲が広がるようになった

我が家のまわりの森を散歩をするとき、アシカとミミチャンに関しては基本ノーリードだ(ラッコはあてにならないのでリード付き)。これまで彼女はアシカと私のまわりから10m以上離れて歩くことはなかったのだが、この頃はその距離を少しづつ延ばすようになった。勝手に自分で30m先を走っていることもある。

彼女が少しでも「自分で遠くに行くんだもーん!」という兆候を見せたら、私は即座に行動を中断させることにしている。「すでにとっても遠くに行ってしまいました〜」では遅い。だいたい20mを基本にしてそれ以上遠くへいったら、呼び戻し。戻ってきたら、遊んだりおやつを与えたり。森の散歩というと優雅に聞こえるが、活発な犬を相手にしていると、瞑想にふけってぼーとすることもできず、かなり忙しい。

独りで遠くに行くようになるというのは、自立し始めている証拠でもあり、若犬としてはあるべき姿だ。オオカミなら群れから離れるために自分で生きる術を学ぶ頃。独立心が芽生えて当然。しかし人社会で犬に幸せを感じてもらうには、こういう意味での自立はあまり奨励させてはならないだろう。なんといっても犬を放し飼いにして自由きままに生きてもらうというライフスタイルを、私たちは与えることはできない。そもそも社会が許さない。それ故に、与えられた環境でも十分に満足できるんだよ、を教えておく。さもないとかえって彼らを不幸にしてしまうのだ。もちろんそのために飼い主はたくさんの代替アクティビティを犬に与えなければならない。

左からミミチャン、アシカ、ラッコ。

人に近づく勇気を持つようになった

普通思春期に入ると、これまで怖がりもしなかったこと、なんでもないと思っていたことにお化けの幻を見てみたり、警戒し始めたりする。しかしミミチャンの場合、そういう「お化け時期」はすでに10週齢に来ていたのかも(?!)しれない。当時、パピーでありながら他人を突然怖がり始めた。しかしトレーニングの甲斐あってか、あるいは時期というものが来たのか、近頃では人に出会うと自分から進んで鼻をつけてチェックするようになった。これが普通の犬であれば、そして特にこの時期であれば禁止する行為(許可なしに他人に近づくこと)だが、ミミチャンの場合、相手によってはヨシとしている。もしかして思春期が終わったら、また元のビビりに戻るのだろうか…?! ミミチャンのビビり克服トレーニング日記については、別の機会に続きを紹介したい。第1回目「人を怖がるパピーのためのトレーニング」はこちらをどうぞ!

人を怖がるパピーのためのトレーニング
文と写真と動画:藤田りか子 今回はビビりの犬をトレーニングするためのスウェーデンでの教室の様子を紹介しよう。動画でその様子を撮影したのでトレ…【続きを読む】

回収の意欲があがった!

思春期というと悪い行動ばかりがクローズアップされてしまうものだが、犬が本来持っている犬らしさが頭をもたげる時期でもある。それを「困った行動!」とネガティブ、あるいは「いいぞ!」とポジティブに感じるかは、飼い主次第でもあるけれど..。

彼女の場合、これまで眠っていた作業犬の種が発芽、それがぐんぐん伸びているという感じだ。将来の回収犬としてミミチャンにはすでにダミーのレトリーブを子犬の頃から教えていたものの、この頃ではダミーに走って行くときの情熱が今までとは明らかに違うのがわかる。爆発的というか、むしろアシカより熱いかもしれない。

ただし!この熱さは上手に伸ばして、かつこちらも頭をつかって付き合わないと、将来ストレスの元ともなる。競技会を目指す我々にとってすごく大事な課題だ。フェラーリを得たものの、きちんと乗りこなさないと、簡単に溝に突っ込んでしまうということでもある。自制心トレーニングやON/OFFスイッチの切り替えトレーニングをどう上手に取り入れていくかにもかかっているだろう。競技会のときに「回収したい!」熱が強すぎ、他の犬が作業をしている間にフラストレーションを感じるようになれば、負けは決まったようなもの。「クーン」などと鼻を鳴らしたり 、指示に集中できないという大失態が待っている。

……………………

以上がミミチャンにみられた思春期の兆候だ。これだけ?と思うなかれ。どれも私にとっては良い意味でも悪い意味でも大きな変化。彼女のいいところを潰さないようにじっくりとこの時期につきあってみたいと思っている。

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