フレンチ・ブルドッグ、心配すべき病気は?

文:尾形聡子


[photo by Gunilla G]

世界的に小型の短頭種人気が高まっている昨今、それにともない短頭種が抱える健康問題への懸念が強まっています。とりわけフレンチ・ブルドッグの人気が急上昇しているイギリスでは、2016年に短頭種の福祉と生活の質を守るための組織「Brachycephalic Working Group」が設立されました。そこでは「Stop and think before buying a flat-faced dog(鼻ペチャ犬を買う前に立ち止まって考えて)」というメッセージを社会に広く発信しています。

日本でもフレンチ・ブルドッグの人気は高く、2020年のJKCへの登録頭数は5位(11,879頭)でした。ちなみに2018年に発表された東京大学の犬の平均寿命を調べた研究(「犬の寿命、現在どのくらい?」)によれば、フレンチ・ブルドッグの平均寿命は調査対象犬種の中で一番短く、10.2歳。犬は体が小さいほど寿命が長くなる傾向にあるため、この結果の原因はどこにあるのだろうと思ったのを覚えています。

フレンチ・ブルドッグの健康問題に関しては数々の研究が行われており、短頭種の頭部の形が引き起こす気道閉鎖症候群(BOAS)や目の病気、皮膚の病気、難産などのほかにも、肘関節異形成、膝蓋骨脱臼(パテラ)、スクリューテールや胸椎形成異常などの健康問題が挙げられています。

前述したように、イギリスではフレンチ・ブルドッグの人気が急激に上がっています。このことから、王立獣医科大学の研究者らはフレンチ・ブルドッグの健康状態の改善にむけた取り組みを推進していくために、健康状態を他犬種と比較して、フレンチ・ブルドッグの健康状態の現状を明らかにしようとしました。


[photo by Nenad Stojkovic]

フレンチ・ブルドッグのかかりやすい病気、かかりにくい病気

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