犬と人との関係、その本質を探した7年の研究

文:尾形聡子


[photo by progressman]

犬と人との関係は、文化によって変わるのだろうか

犬は世界中で人とともに暮らしています。

ソファで家族とうたた寝する犬もいれば、広い草原で牧羊を手伝う犬もいます。狩猟の手伝いをしたり、家畜や家を守る犬もいます。暮らす環境も、人との距離も、犬に求められる役割も、国や地域によってさまざまです。

では、暮らし方も文化も違うなら、犬と人との関係も違ってくるのでしょうか。

この素朴な疑問を、長年にわたって追い続けてきた研究チームがあります。ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所を中心とする研究者たちです。

2019年、彼らは「人は犬をどのように理解するのか」を調べました。続いて2023年には、世界124の地域社会を対象に「犬はどのような役割を担い、人は犬とどのような関係を築いているのか」を比較。そして今回、新たに発表された研究では、その先にある問い「文化が違っても、犬と人との関係には共通するものがあるのだろうか」へと踏み込みました。

今回は、この3つの研究をたどりながら、世界各地で暮らす犬と人との関係から見えてきたことを紹介します。

人は犬をどう理解するのか

今回ご紹介する研究は、突然生まれたものではありません。その出発点となったのは、2019年に同じ研究チームが発表した「人は犬をどのように理解するのか」を調べた研究です。

その研究では、犬を家族の一員として迎え入れる文化を持つヨーロッパと、犬との関わり方が大きく異なるイスラム文化圏の人々を対象に、犬の表情から感情を読み取る能力が比較されました。

その結果、犬に対して親しみのある文化で育った人ほど、

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