文:尾形聡子

[photo by Ekaterina]
以前の記事、「遊びとエピジェネティクス①」「遊びとエピジェネティクス②」において、犬の遊びを「楽しい気分の表現」ではなく、神経系とストレス応答のバランスの中で成立する行動として見てきました。遊びは、犬の体が「探索してもいい」「交流してもいい」と判断したときにのみ立ち上がる行動です。
では、そのような状態で起きる遊びは、飼い主との関係の中でどのような意味を持つのでしょうか。
犬と暮らす中で、犬と一緒に遊ぶことは大切だとよく言われます。体や脳を働かせることで心身に刺激を与えるだけでなく、関係づくりにも役立ちます。犬がよく遊ぶようになれば、自然と飼い主との距離が縮まり、遊びを通して信頼関係が深まる。そんなふうに説明されることが一般的です。
今回紹介する研究は、その点を少し違う角度から捉えたものです。犬の行動そのものではなく、飼い主側の認知や感情の変化に

