文:北條美紀

遊ぼうよ!とプレイバウをする [Photo by Mike McCune]
犬とヒトの遊びの面白さについて、あれこれ考え始めてすっかり夢中になった話は「遊び上手は幸せ上手なのか~犬とヒトに共通する『最適難易度』の心理学」でも書いた。そして、その中で気づいたことがもう一つある。私たちヒトは、自分たちヒトについて分かっていることを基に、犬にも同じことが起きているのではないかと推論しがちだ。このようなヒトから犬を見る視点が過剰な擬人化の源泉となるのかもしれない。でも、進化的に理解しようとするときの逆の視点、逆の流れこそ面白いと思うのだ。つまり、犬を含めた様々な生き物の特性の中で、生存に有利な特性が選択的に受け継がれて今のヒトがある、さまざまな特性の起源は、はヒトではく犬に近いところにあるという視点だ。
今回、注目したいのは道徳。犬に道徳観があるかどうかについては激しい議論が繰り広げられているようだが、多くの研究者が同意しているのは、犬にはヒトの道徳観の元となるproto-morality(原道徳)が存在するということだ。

