文:北條美紀

犬が大好きな遊びの一つ。土をホリホリ[Photo by Janusz Maniak]
これまでにも犬曰くの多くの記事の中で「遊び」が取り上げられてきた。特に、最近の尾形さんの記事「遊びとエピジェネティクス①、②」では、遊ぶために必要な体の状態とその維持について新しい視点から解説されていた。そこから私は、「遊び」の持つ意味について考えることにすっかり夢中になってしまった。
そして気づいたことがある。私にとって、こんなふうに一つのことをあれこれ考えることは楽しみであり、まさに思考の「遊び」だ。この遊びは私をすっかり夢中にさせフロー体験をもたらしてくれた。そこから思い至ったのが、遊びには犬とヒトのウェルビーイングを高め幸せをもたらしてくれる機能があるのではないか、それが今回のテーマだ。
犬もヒトも実によく遊ぶ。遊びは一見すると、生きるための何の役にも立たない行動のように見える。それなのに、犬もヒトも驚くほど多くの時間を遊びに費やす。心理学や動物行動学では、この不可思議な行動について長く議論されてきた。それらの研究を広く眺めると一つの共通点があることに気付く。それは、遊びは

