文:北條美紀
[Photo by Joseph Biscocho]
尾形聡子さんのエピジェネティクスに関する記事は、いつも面白い。今回の「子犬時代の劣悪な生活経験は、遺伝子環境相互作用により行動・性格、愛着スタイルを変化させる」を読んで、ますますエピジェネティクスという現象に興味を惹かれた。そもそも「遺伝だから仕方ないよね」的な発想が苦手だし、そういう言い方をするときのネガティブな諦め感そのものがよい変化への芽を摘んでしまうように思う。だからこそ、エピジェネティックな変化は可逆的なものだと考えられているのが好きだし、そもそも、子犬にトラウマ体験をさせて必要のない悪影響を与えたのはヒトなのだから、それを上回る良い影響を及ぼすこともできるでしょうよ!とも思うのだ。
ストレスは「危険」の合図
ストレスを受けた際の内分泌系の反応(HPA軸)と、ストレスホルモンと言われるグルココルチコイドとその受容体の働きについては、尾形さんの記事に詳しいのでご確認いただきたい。
さて、