文と写真と動画:藤田りか子
トリックを教えたり、ラリーオビディエンスの簡単な技を教えたり。どんなことをしても、それは犬との楽しいコミュニケーションの始まりとなる。こちらが何を言わんとしているのかを、犬は理解しなければいけないし、犬がどう物事を捉えているのかを私たちも理解しなければならない。そんな意味でもトレーニングというのは犬との交流を深められるとても面白い機会だと思う。時に
「野生の犬はトレーニングなんかしなくても生きているけど」
という反論もでてくるのだが、野生の犬こそ日々トレーニングの毎日ではないだろうか。食べ物を得るために常に体と頭を働かせており、家庭犬みたいな「上げ膳据え膳」で「無機質な環境」に住んでいるわけではない。家庭犬の生活を野生の犬のそれのようにより豊かなものにするためには、我々があえて犬のために行動を起こさなければならない。そうすることで犬は我々をドアマットや自動販売機としてではなく、真の意味での群れメンバーとしてみなしてくれるはずだ。
どんなアクティビティでも「犬とのコミュニケーションの始まりになる」と述べたが、その一つとして今回は我が家でブームになっているキャバレッティを使う遊びを紹介しよう。キャバレッティとは馬のトレーニング世界からきたコンセプト。コンディション作りに使われている横木だ。今や犬のプロプリオセプションやリハビリのトレーニングといった筋力鍛錬やセラピーの道具としても使用されている。
ここに示すキャバレッティはただしそのような鍛錬・治療的な意味を持つものではなく、純粋な脳トレ遊びとして起用しているので悪しからず!ちなみに、道具をわざわざ使わなくてもいくらでも犬とのアクティビティは可能だが、道具があると、人にとっても犬にとってもワクワクが倍増し、楽しいのである(後片付けは面倒くさいが… )。