犬のトレーニング、テクニックだけに走りすぎていない?

文:藤田りか子

[cynoclub/Shutterstock]

知人であるBさんが里親に出されたラブラドール・レトリーバーのネルソンを譲り受けることになった。彼は水鳥猟を始めるために、回収のできる犬を探していた。スウェーデンでは鳥猟の際に半矢の鳥も回収する犬を伴うことが狩猟倫理として法律で定められている。ネルソンはBさんにとってパーフェクトな犬であった。回収欲は生まれつき強く、すでに8ヶ月齢に達していたので訓練次第で次の猟期までに使える猟犬になれるはずだ。

Bさんのネルソンに対する意気込みはかなりのもので、譲り受けてすでに最初の日からトレーニング開始となった。鳥猟犬としてまずはステディネスが大事だと聞いた彼はヒールウォーク(横につけて歩く)の練習から始めた。ただし、ネルソンは最初の家庭で散歩時に好き放題に歩くのが許されていたらしく、8ヶ月という思春期も手伝いトレーニングは難航した。3ヶ月後。Bさんは

「ヒールウォークのトレーニングがなかなかうまくいかなくて」

悩みを話してくれた。

Bさんのヒールウォークのやり方を見せてもらった。ネルソンが前にでようとするとそこで止まり、横につくまで待つ。そしてまた歩く。おしっこも好き勝手なところでしないように、コマンドでさせようとしていた。ネルソンが上手にこなすと、トリーツを与えた。Bさんのトレーニング方法

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