新仮説と自己家畜化について 家畜化症候群その2

文:尾形聡子


[Image by Robert Owen-Wahl from Pixabay] 家畜化された動物、ブタも白斑を持つ個体がいる。祖先のイノシシには白斑はない。

前回、家畜化症候群とはどのようなもので、なぜ家畜動物に共通して見られる特徴があらわれるのかについてのこれまでの考えを紹介しました。今回は、新たに出された仮説についてお話ししていきたいと思います。

家畜化症候群についての新しい仮説

これまで支持されていた仮説に対し、新しい仮説では家畜化にともない野生動物の繁殖システムの大きな変化(reproductive disruption:繁殖の混乱)にかかわる4つの点を挙げています。選択的な要因は「従順さ」も含めて複数あり、繁殖にかかわる(そして進化が生じる)要因の変化が家畜化された動物に共通して存在するために、結果として同じような形質の変化が種の違う動物のあいだで生じることが多くなるのだろうという主張です。

たとえば、家畜は

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