文と写真:藤田りか子
過度なビビリは心のハンディキャップ
のんきな人は長生きする 〜 シェークスピア 〜
飛行機に乗っている間、私は結構ビクついている。離着陸も好きじゃない、機体が乱気流などで揺れるとすぐに心臓がドキドキしてしまう。いつか怖いことが起こるかもしれない。そんな恐怖を抱えながら数時間を過ごす。
いわゆる「ビビリ犬」の心の世界というのは、おそらくこれとほぼ良く似た状態ではないのか…「世の中が怖い、知らない人が怖い、聞きなれない音が怖い」。その怖さとは要するに何が起こるかわからないことに起因する。もし自分の命に関わることが起きたら…? ただし私の飛行機恐怖体験は数時間で終わるが、ビビリ犬の恐怖感というのはほぼ一生に渡って続く。これを考えると、ビビリ犬をこの世に送り出す、というのはその犬の犬生に精神的ハンディキャップを負わせているようなものなのかもしれない。