磁場を感じるタンパク質、犬の目にも存在

文:尾形聡子

[photo from Max-Planck-Gesellschaft]

渡り鳥が常に行きたい方角に飛んでいけるのは、地球の磁場を感じて方向を判断しているからだといわれています。

渡り鳥はコンパスの針が示すような東西南北の方位だけではなく、地表に対する磁力線(磁力によって生じる目に見えない線)も認識できる能力があると考えられています。この能力をつかさどっているのが光受容体タンパク質の一種、クリプトクロムのサブタイプであるクリプトクロム1aです。クリプトクロム1aは網膜にある視細胞の、青色~紫外線に対して感受性を持つ錐体細胞の中に存在しています。つまり、鳥は目で磁場を感じる能力があると想定されているということです。

このような能力は、鳥だけでなく魚や昆虫にもあることが分かっていましたが、犬やオランウータンなどのいくつかの哺乳類にも備わっている可能性があるとの研究結果が『Scientific Reports』に発表されました。研究を行ったのはドイツの学術研究機関であるマックスプランク研究所です。

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