文:藤田りか子
[Photo by Mathew Coulton]
今、犬のおもちゃは氾濫状態である。ペットショップに行ってその品揃えを見ればあきらか。過去にこれほどまで犬のおもちゃが豊かになった時代はなかっただろう。それだけ「人」にとっても大事なグッズであり、犬を飼っていれば誰もが一つや二つ所持しているものなのだ。
おもちゃを買うのは時に飼い主の自己満足にすぎなかったりするけれど、使い方次第で素晴らしい犬のエンリッチメント・ツールにもなる。中でも引っ張りっこおもちゃはナンバーワンだと思う。うちでも私と犬が楽しんで使っている。そうそう、投げる系のおもちゃもよし!ただしそのために高価なものをわざわざ買う必要はない。こちらは使い古しのテニスボールで十分。
買ったけれども役に立たないおもちゃももちろんある。それは食べ物を詰め込んだり探させたり、あるいはカミカミを売りにするタイプのおもちゃだ。「あなた、ノーズワークに興味あるのに、え〜??」と思われるもしれない。このようなおもちゃはよく「ワンちゃんのエンリッチメントになります!」というような謳い文句で売られているものだ。だが「エンリッチメント」という言葉が軽々しく使われているところが、個人的にはどうも賛同できないでいる。その何故についてここで話したい。私が感じたことを裏付けてくれるような科学論文をアメリカからみつけてきたのでそれも紹介しよう。