犬の脳に現れる「人為選択」と「経験」の跡

文:尾形聡子


[Illustration by ChatGPT(AI生成)]

犬と人の長い歴史のなかで、人は自分たちにとって望ましい特徴をもつ犬を選び、繁殖してきました。人の身振りや視線、声に注意を向け、ともに行動するような犬の能力にも、何世代にもわたるそのような選択が影響してきたと考えられています。

一方で、一頭の犬に目を向ければ、そこにはまったく異なる長さの時間があります。犬は人と暮らしながらさまざまなことを経験し、学習します。とりわけ、特定の仕事を担う犬では、長期間にわたる体系的なトレーニングが行われることもあります。

つまり犬は、何世代にもわたって続けられてきた「人為選択」と、それぞれの犬の生涯で積み重ねられる「経験」という、異なる時間軸からの影響を受けていると考えられます。この二つの影響は、犬の脳に違うかたちで現れているのでしょうか。

犬の脳を「大きさ」ではなく「つながり」から見る

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