犬の多様性を理解する・理解してもらうための社会化

文:藤田りか子


[Photo by Kate]

ドッグトレーニング場にいったときのこと。

「僕の犬、種差別しますからね」

とDさんに言われた。え、種差別?私、日本人だからな。アジア人が嫌いな犬なのかな。スウェーデンにはそれほどたくさんアジア人いないし…と思いきや

「うちのテオはパグとかフレンチ・ブルドッグといった鼻ぺったんこ系の犬を見ると怒り出すんですよ」

なーんだ。そっちの種か。彼は犬種差別のことを言っていたのだ。一瞬Dさんの物言いにむっとしたのだが、犬の種だとわかって安心した。Dさんに明るく伝えた。

「だいじょうぶ、うちの犬はラブラドールだから」

車で待機しているアシカを出して、トレーニング場に連れてきた。Dさんの犬、テオは、シェパードタイプのミックス犬であった。リードを目一杯伸ばしアシカに興味があるそぶりをみせたが、アシカは知らん顔。代わりに視線は私に釘付け。ちなみに、アシカに関してはどんな犬に出会っても「この子は無関心を装える」という絶対的な自信を私は持っている。

特定のタイプの見かけの犬に対して猜疑心をもったり不安になる犬がいる。なにしろ犬ほど同種内で見かけがさまざまな動物は他にいない。子犬時代に一緒に過ごしてきた母犬や兄弟姉妹と、他犬が同じ見かけとおもいきや、大間違い。そのようなわけで、短頭種のように犬の自然からだいぶかけ離れた顔つきの犬は、時に他の犬を怖がらせてしまうことがあるのだ。

嫌われやすい黒い犬

短頭種だけではない。「黒い犬」に恐怖心を持つ犬もいる。Dさんの犬がもしそれだったら、きっとうちの犬とは一緒にトレーニングしたくなかったはずだ。なんといってもアシカは真っ黒なラブラドール。黒い犬が嫌われやすい理由は、

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