愛犬との交流は飼い主の精神状態にどう影響するか?

文:尾形聡子


[photo by LIGHTFIELD STUDIOS]

なんとなく気分が落ち込んでいるとき、愛犬との何気ない触れ合いが気持ちを穏やかにしてくれたり元気をもたらしてくれたり。飼い主の皆さんであれば何度も経験してきていることでしょう。そう、愛犬には飼い主の精神状態を回復させてくれる力があると感じるものです。

けれども、犬と暮らす人は犬と暮らしていない人よりも幸せを感じているのか?という問いに対してはどう思われるでしょうか。その命題に対する研究はこれまでに数々行われているのですが、結果は愛犬家にとっては首を捻ることが多い状況にあります。2021年に発表された米国テネシー大学による「ペットの飼育と生活の質」に関する研究のシステマティック・レビューによれば、54の研究のうち「ペットの飼育と良好な精神的健康とに明らかに関連性がある」と報告されているのは17報、21の研究のうち「孤独を感じることが少ない」と報告されているのは6報、30の研究のうち5報の研究のみで「ペットの飼い主はうつ病が少ない」と結論していることがわかりました。

このような研究報告が多くなる理由のひとつに、

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