文:藤田りか子
[Photo by marycollins5]
オビディエンス、アジリティ、ラリーオビディエンス、そしてディスク、これらはいずれもスポーツのために考案されたドッグスポーツだけれども、ノーズワークは実用性のあるアクティビティだ。なにしろ麻薬探知犬、爆薬探知犬、メディカル探知犬など実用的な犬作業の世界で使われていたものをドッグスポーツ化させたのが始まりだからだ。
それゆえに他の純粋なドッグスポーツと比較すると学術研究の対象になりやすく、それはもう比べものにならないほどの論文が発表されている。犬の嗅覚作業は、犯罪捜査、軍事、医療といった社会における大事な分野で活かされており、ニーズがあるし研究費も出やすいためもあるだろう。ただし単に「ノーズワーク」という検索ワードで探しても論文にはほとんどヒットしない。「探知犬」で探すと、グーグル・スカラー(論文検索エンジン)に数々の論文がはじき出される。その中でもちょっと古いけれど(2014年)、でも研究としては今でも新鮮なノーズワークハンドラーと犬の関係を記した調査を紹介しよう。題して
「ノーズワークハンドラーのストレスは犬のサーチ作業にどのような影響を及ぼすか?」
である。ね、面白そうでしょ?
この調査を行ったのは