文:藤田りか子
[Photo by Jamie Street]
「人に愛を与えたとしても
必ずしも愛を返してくれるわけではない
でも犬は愛を返してくれる
純粋無垢で天使のような存在
私の愛に必ず彼らは応えてくれる」
なんて歌う人がいる(かもしれない)。そうか、愛があればすべて解決するのか!問題行動だって!… いや、でも本当にそうかな?
「犬を愛している」の定義はおそらく人それぞれだろう。けれど「愛し続けていれば、犬はその愛を返してくれる」というのは、少々期待過剰かもしれない。そして「犬に悪魔はいない、彼らこそ天使だ」とか「DOGを反対読みすればGOD、そう、犬は神様!」というような崇拝もよく聞くけど、そこまで犬をドラマチックに仕立て上げなくてもいいだろう。犬は天使でもなければ悪魔でもない。犬は犬だ。天使やGODだなんて修飾をせずに、彼らのそのままを受け入れ愛したい。
人が感じる愛と、犬の感じる愛
何はともあれ、愛だけで犬との快適な生活が確約されるというものではない。子犬あるいは保護犬を迎えるという人にこの部分をぜひ理解してもらいたいと思っている。人目線の変な妄想を抱くと、犬との関係性をうまく構築できないリスクも生じてくるからだ。残念なことだが、犬を愛する人の気持ちは犬に通じない。これは科学的にも検証されている。でも