犬の「群れ」というコンセプト、再検討

文:藤田りか子


[Image by Martin Tajmr] 

人それぞれの「犬の群れ」観

犬が社会性持った「群れ動物」である、というのは誰でも知っている。けれど、その「群れ」が意味するものは?と聞かれ、人によって答え方は様々ではないだろうか。ひと昔前の家庭犬専門家の間では、群れといえば、リーダーの存在がすぐにあげられた。よって我々も犬のリーダーになり、そうすれば犬は自動的に人間に服従する、というようなことを説いていた。同時にそれは、逆にもし犬がリーダーになってしまったら、彼らが私たちの行動を統制するリスクがある、という意味でもあった。犬の問題行動はたいていこの論理で片付けられていた。

かと思えば「犬は群れ動物」ゆえに、

「よその犬と挨拶したり遊ぶというニーズをもっています」

とやたらと自分の犬を他の犬に合わせて挨拶させようとする人(そしてそれを推奨するインストラクター)もいる。

いずれの群れ説においても、実際の犬の行動を見てみると、矛盾することばかり

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