文:藤田りか子
Photo by State Library of New South Wales]
「ワンちゃんとのお散歩の仕方でわかるあなたの性格占い」
なるものがあったとしても、理知的な読者の皆さんは「バカバカしい」と一蹴にして信じないだろう。だが、性格別散歩の仕方は真面目に検証されており論文すら出されている。最近の犬学世界は実に楽しいトピックスに溢れている。
論文はクィーンズランド大学をはじめとするオーストラリアの研究者らによるもので、心理学を扱う学術誌に掲載された。そう、散歩の仕方とは犬もしかり、リードを持つその人のあり方が具現されているものなのだ。
研究は人の性格要因ビッグファイブを元に散歩中の犬への接し方そしてリードの張り具合などの相関関係を調べた。結論を先に言うと、散歩の仕方と人の性格には確かに相関性があった。つまり「犬の散歩占い師」なる人がいたとしたら、散歩の様子であなたの性格をずばり言い当ててもらえる可能性もあるということだ。いやはや、そんな能力のある人といっしょに犬散歩はしたくないけど。
ビッグファイブの性格要因
人の性格は5つの要因(ビッグファイブ)の組み合わせによって決定されている、という「ビッグファイブセオリー」なるものがある。その5つの要因とは以下の通り。
- 神経症性
- 外向性
- 開放性
- 調和性
- 誠実性
それぞれの要因の強弱がその人らしさを作るわけだが、この研究では各要因について特に強い傾向を持つ人がどんな散歩を繰り広げているのかを調べた。たとえば神経症傾向が強い人(いわゆる「メンタルが弱い」と言われているタイプ)ならどんなふうに犬と接しているのだろうか、などだ。
調査はオーストラリアのクーインズランドのRSPCA(王立動物虐待防止協会)シェルターの散歩ボランティア74人、およびシェルターの保護犬111頭を対象に行われた。散歩時のリードには独自に開発されたリード張力計を装着。人か犬の