ドッグスポーツ:犬の間違いをそのまま見逃すか、矯正するか?

文:藤田りか子

[Photo by Axel.E]

これまでヨーロッパでも名のある何人かのドッグインストラクターのコースを取って、ラブラドール・レトリーバーのアシカあるいはミミチャンと参加してきた。最初の頃は何がなんだかよくわからないままにコースは終了し、家に帰ってきて「はてさて私は何を学んだのやら」とポカンとしていたものだ。だが、最近はそれぞれのインストラクターの言いたいことが徐々にだがわかるようになってきた。彼らの一つ一つの言葉が骨の髄まで染みとおるようになったのだ。

そう、ドッグコースで何かを学ぼうと思うのなら、コース慣れをしている方がいい。コースにでているうちにどうやって学習をするべきなのか、学習してくるようになる。のみならず、さまざまなコースをとる中でいろいろ発見もある。その一つが、有能なドッグインストラクターにはある共通する特徴が存在すること。それは彼らの「ミスを許さない態度」だ。犬のパフォーマンスにおける間違いを絶対に見逃さない。

たとえば私の犬、ミミチャンがコースで順番を待っている間のこと。他の犬がこちらにダミーをくわえて走ってくるのをみて突然私の側から離れ前にでようとした。私は慌てて「ダメ!」と注意した。その声を聞くやいなや彼女は一瞬にして我に返り私の横についた。ご存知のようにミミチャンは怖がりなので、そのダミーを持った犬がこちらに向かってくると思ったのだろう。だから威嚇しようした。彼女にとって緊急な事態にもかかわらず、「ダメ!」にきちんと反応したことが私は嬉しかった。そこで

「よしよし」

と褒めたら、インストラクターのB先生に早速怒られた。

「なんで、それを褒めるの!?」

すると

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