犬を擬人化させないための大事な科学教育

文と写真:藤田りか子

「わんちゃんも外をみるのが好きなのね!」「そうよ、人とおんなじなのよ」 確かに人と同じところもある。でも違うところもある。そこを見分けるためには?そう、教育なのである。[Photo by Boston City Archives]

犬と触れ合うことで私たちが感じるフィールグッド感。それを利用してたとえば動物介療法などが最近は世界中で一般的になってきた(動物介在療法についての詳しい説明はこちらに)。このように犬と私たちの間に生まれるオキシトシン効果やそれが人に及ぼす影響が語られる一方で、

「それじゃ、まるで犬を人間のために利用しようとすることばかり考えているみたいじゃないか」

というシビアな指摘もある。犬の幸せはどこにある??犬にとってもプラス、人にとってもプラスという動物介在の活動はあるのだろうか。

もう一歩踏み込んだ動物介在教育

そこでAAE(Animal Assisted Education)となる。これは日本でもよく知られている「動物介在教育」の意味。実際に動物をさわったりその飼育を手伝うことで、動物の生態を学ぶだけでなく、子供たちの情緒的な成長を促しかつ責任感を培い協調性を育む、というのが一般的な見解だ。

これに、もう一歩踏み込んだ動物介在教育のあり方が、イスラエルのデヴィッド・イェリン大学教育学部ミシャル・モトロ博士によって唱えられているのを、だいぶ前になるがある学会で知ることになった。それは、動物を教育の場に登場させることで、生き物を擬人化する危険を子供に学ばせようとする試みだ。モトロ博士によると、子供は概して

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