文と写真:尾形聡子
つい最近、たまに道で会っていた柴犬の目がほとんど見えなくなったという話を散歩友だちから聞いた。その柴犬は5歳くらいで片目に白内障を発症、そして手術。その後、同じ目に緑内障も発症し、結局眼球摘出に至った。さらにもう片方の目も白内障にかかり、今は視力こそ完全に失ってはいないが、ほとんど見えない状態になっているという。
「いつも自由に歩かせていたから、その子、目がほとんど見えなくなって歩けなくなっちゃったみたい」
友だちはそう言った。
「いざという時のためにも、せめて“横について歩く”くらいのことはできていないとね。その子は“つけ”の練習もまったくしていなかったみたいだから」
とも。
この話を聞いたとき、先日の藤田りか子さんの記事『オス犬のマーキング管理とインパルス・コントロール』の中に出てきた『犬との協調関係』という言葉がパッと頭に浮かんだ。柴犬とその飼い主さんは、果たして協調関係にあったのだろうか?と。