スウェーデンでウルフドッグが違法である理由

文:藤田りか子


犬とオオカミのハイブリッド、ウルフドッグ [Photo by ]

野生動物へのあこがれから

動物好きの皆さんであれば、オオカミやライオン、トラのような大型でカリスマティックな野生動物を手なずけて、家庭で飼うことができたらどんなに楽しいか、なんて考えたことがあるのではないだろうか?

ウルフドッグ(あるいはウルフハイブリッド)というオオカミと犬のハイブリッド(雑種)の作出も、おそらく野生に対する憧れ、原点に戻れというロマンがあったからこそだと思う。オオカミに限らず、野生動物に家畜種をかけてより野生味にあふれたペットを作りだそうとするのは、欧米でも特にアメリカでさかんだ。猫種であるベンガルは、1950年代アメリカにてイエネコにベンガルヤマネコを掛け合わせたもの。改良をかさね80年代に正式の猫種として公認を受けた。

ウルフハイブリッドは特に90年代ごろから同国で大変人気のペットになった。その数は、1993年で50万頭。これには90年代にヒットした映画「ダンス・ウィズ・ウルヴス」の幻想的なシーンも影響しているようだ。当然のことながら、アメリカの影響はヨーロッパにも及んだ。筆者が住むスウェーデンでもウルフハイブリッドが一時およそ300頭から1000頭存在していた時もあった。

ただし。スウェーデンの場合、ウルフハイブリッドは今や禁止

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