子供嫌いな犬、どうしたらいい?

文と写真:藤田りか子

我が愛犬アシカは子供が嫌いだ。というか、子供を恐れる。一番苦手なのは3〜6歳ぐらいのチョロチョロと動くちびっ子たち。子供独特の不思議な振る舞い方、まっすぐに見据える視線、そして大人とは異なる体のプロポーションなどが、どうも彼女の中で定義する「ヒト」にマッチしない。それで気味悪がって怖がる。

決して社会化トレーニングを怠ってきたわけではない。そのトレーニングを兼ねて何度ラッコが出場するノーズワークの競技会会場に連れて行っただろう。人でごった返すドッグショーや地元のお祭りにも行った。家庭とは異なる騒がしい環境には慣れたものの、考えてみれば、いずれの場所でも幼児と接する機会が全くなかった。人といえば大人ばかりにしか出会わない環境であった。

うっかりしたものだ。そう、つまり子供に会わせるという社会化トレーニングをやり損ねた。今まで我が家にやってきた犬たちは、子供に会わせるというトレーニングを特別に行わずとも、怖がることもなくすくすくと育ってくれた。だからあまり深く考えていなかったというのもある。もっとも、今となってはそれも言い訳にすぎない。

自分の落ち度に気が付いたのは、アシカが1歳半になって。カッレの同僚が散歩に子供を連れてきた。後ろからぴょこぴょことぎこちない幼児独特の動きをしながらついてくる男の子に対して「う〜」と唸り声を発したときだ。唸り声というのは、「あっちに行って!」という距離を離して欲しいというお願いの警戒音である。私は即座にアシカの言わんとしていることを理解して、子供から離れて互いの安全を確保したものだ。

このような犬を治す手立てのようなものはあるのだろうか?

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