老犬だって散歩に行きたい

文と写真:アルシャー京子

犬にとって散歩は最大の楽しみだからこそ、犬に負担がかからないような状況で散歩はしたいものだ。朝・昼・夜と1日3回、犬は自分の生活圏の巡回に出て匂いを嗅ぎ、情報を得る。犬には犬なりに自分の生活圏の中で気になるスポットがいくつかあるようで、そこを1日1回は通りたがる。どんな犬が自分の周辺を歩いているのか、どんな動物がそこにいたのか、ヒトとは異なり情報にストーリー性はあまりないが、その場その場の認識をすることは犬の持つ経験と照らし合わされて、精神の安定につながる。

若い頃には森でさんざん走り回ってもすぐにエネルギーが充電され、翌日には「さあ、いこう!」と飛び起きていたうちの犬。時が経ち、壮年時代を超えて彼もとうとう老犬と呼ばれる年になったが、それでも家の中で外出の気配を感じ取るとのそりと起き上がり、若い頃と同じ散歩コースを今も歩いている。

昔のようにはじけて遊ぶでなし、しかし犬なりに気になるところを好きなように匂いを拾って歩き、すれ違う犬とも適当に挨拶を交わしている。たまに気に入った相手だとプレイバウで遊びに誘うこともあるので、ヒトが年齢を聞いて思うほどヨボヨボしているわけでもないことはあきらかである。その姿はやはり家の中で過ごしてばかりいては見られないものであるし、このような社会的刺激が適度にあるからこそ犬も精神を健全に保っていられる。

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