誘惑をわざと使うドッグトレーニング – 「逆誘惑トレーニング」その1

文と写真と動画:藤田りか子

ソソーセージの誘惑…。

誘惑をちらつかせながら…

逆誘惑トレーニング。北欧のドッグトレーナーの間で最近とみにつかわれるようになったトレーニング方法だ。行動をずっと維持してもらいたいという時など最適。たとえば犬がダンベルやダミーを「クチャクチャやらずにしっかりと口で保持しておく」練習は決して易しくはないのだが、逆誘惑トレーニングを使うととても簡単に仕上がる。だから

「物品をくわえると、すぐに口からペッと吐き出してしまうのです」

などのお悩みを持つ人にも必ずオススメしている。あるいは「おすわり」コマンドによって座った状態をしばらく維持してもらいたいときも活用大。インパルスコントロール・トレーニングの一環としてもよし。そのコンセプトは、従来のトレーニングの逆の発想という点にある。すなわち、犬に誘惑(トリーツやおもちゃ)をちらつかせて

「これ欲しい?じゃ、ちょっと一仕事してくれる?」

と欲望をわざと煽る。これは無理強いの訓練でもないし、シェーピング(トレーニング方法の1つ。部分部分を強化しながら覚えてもらいたい行動に到達するやりかた)でもない。

ただしこのトレーニング方法で誘惑となるトリーツ(あるいはおもちゃ)は決して「行動の誘導」としては使われない。「おすわり」を教えるときに、犬の鼻上にトリーツをかざして「座る」という行動を教えたことはあるだろう。これは誘導によるトレーニングだ。逆誘惑トレーニングはこれとは微妙に違う。誘惑を犬に見せながら(鼻上ではなく、地面や鼻の前であったりする)「でもあげないよ〜」と犬を焦らせる。焦らせながら犬に一発奮起してもらうのが意図。犬はトリーツ(おもちゃ)を欲しいがために自発的に何か行動をみせるかもしれない。その自発性を強化していく。ある意味「オペラント学習」の1つともいえるだろう。

最初の一歩

と聞くと誘惑と誘導するのとどう違うのか、ますます混乱される方もいるかもしれない。言葉による説明よりもまずは実際の様子を見ていただくのがはやい。以下の動画をどうぞ!

【こちらは有料記事です】

続きを読むにはして下さい。

ご購読いただくと続きをご覧いただけます。

今すぐ会員登録して続きを読む