アシカ、おませさん

文と写真:藤田りか子

このゴールデン・レトリーバー・パピーもそつなく誘惑を無視できた参加犬一匹。トリーツの入ったお皿を4つ置いておく。最初の2つは食べてもいいよ、という許可を出す。でも3つ目を食べようとした時に禁止の言葉、あるいは呼び戻しを出す。そして犬は4つ目のお皿も無視して飼い主について歩く、というのがエクササイズ。

アシカはませたものだ。パピー教室で行ったエクササイズをどれもそつなくこなした。他のパピーに比べても、かなり優秀な方だと思う。例えば、誘惑(地面に置かれたトリーツ)の側を、一切コマンドなしできちんとついて歩かせる、という練習をしたのだが、目は完全に私に釘付け。一度「行っちゃダメ」といえばもう理解したとばかり2回目には地面のトリーツを見ようともしない。おそらく4歳のラッコよりうまくこなすだろう。生まれつき社会性が高いとはいえ、アシカのコンタクト欲にはただただ感心。この間発表された犬の協調性についての遺伝的背景を発見した研究のことを思い出した。おそらくラッコとアシカではオキシトシン受容体の遺伝子コードに何か違いがあるのかもしれない。

しかし、私はこれで気を抜いたわけじゃない。何と言っても今は思春期前。お年頃になったらどう気まぐれ少女に変わるか。ああ、考えるとちょっと怖い。今までの失敗もある。今度こそどうか、豹変したりしませんように。できるだけ今の可愛いままでいてください。

実はアシカに、こういった自分から何かをするというタイプのトレーニングはあまりいらない。彼女は一度やれば、すぐに要領を飲み込むからだ。逆に何もしないでいる、という技の方が難しい。何と言っても彼女はむしろ働きたい犬だから。というわけで、パッシプ・トレーニング(Passive Training)というのをパピー教室で強化してもらうことになった。思春期が来る前にぜひマスターしてもらいたい。このトレーニングの詳細はまた次の機会に!

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