文:藤田りか子
[Photo by Daniel Tapia]
日本に滞在した時。飼い主とともにミーティングに同席していたゴールデンレトリーバー君に、スウェーデン語で話しかけたことがある。人の言葉は日本語しか知らないはずの彼は、不思議と私の言うことをきちんと理解した。口にくわえていたボールをもらおうと「Loss!」(はなせ)といったら、ポロリと口から出してくれた。「Vänta!」(まて!)といったら、ちゃんと伏せをしたまま待っている。そして「Varsågod!」(いいよ)で、また向こうのボールを取りにいったという具合。
あまりにもすべてのキューをはっきりと理解するので、こう結論することにした。
「犬は人間のボディランゲージや声の