文:尾形聡子

[photo by Przemyslaw Iciak]
犬があくびをしたり、顔をそらしたり、なんとなく元気がなかったり。
そのような姿を目にしたとき、「ストレス」や「年齢のせい」として飼い主に受け止められることが多いかもしれません。一方で、それらが「痛み」であると考えられていることは、はたしてどのくらいあるのでしょう。
人は犬の痛みに気づきにくいと言われることがあります。しかしそれは本当に気づかないのか、それとも、気づきやすい痛みと気づきにくい痛みがあるのか、あるいは誤って別のものとして理解しているからなのでしょうか。これらの点については、これまで十分に整理されてきませんでした。
そこで今回、人が犬の行動を見る中で、どのようなサインを「痛み」として認識しているのか、そして見逃しや誤認がどのように起きているのかを調べた、オランダのユトレヒト大学の研究を紹介したいと思います。
飼い主と非飼い主の間に、痛み評価の違いはあったか
研究者らはSNSを通じてオンラインアンケートを実施しました。アンケートは犬の痛みに関連する複数の行動について、それぞれがどの程度の「痛みのサイン」なのかを評価するものと、犬の3つの症例について痛みとの関連性を評価する課題が含まれていました。
評価対象となったのは、いわゆる跛行や動きの変化といった比較的わかりやすいものだけでなく、

