文:尾形聡子

[photo by OlgaOvcharenko]
犬の「性格」や「気質」は、毎日のふるまいとして私たちの目に映るものです。落ち着きやすいタイプ、緊張しやすいタイプ、見知らぬ刺激に敏感なタイプ、人や犬に友好的なタイプ……。そうした違いを「その子らしさ」として感じ、暮らし方やトレーニングの方法を考える方も多いでしょう。
ですが、私たちは普段見ている犬の性格を、どれほど客観的に捉えることができているのでしょうか。行動は状況に左右されます。家では穏やかでも初めての場所では固まってしまう、散歩の途中でだけ反応が強くなる、触られるのは平気なのに抱き上げられると嫌がる、というような「状況依存性」があるため、行動から気質を評価することにはどうしても難しさが残ります。
そのため近年は、行動評価を生理的な反応で補おうとする研究が増えています。行動テストで数値化される気質が、ストレス反応や情動調整を示す生理指標とどの程度一致するのかを確かめる、という発想です。もし

