「リアクティブドッグ」とは何か〜犬の“反応性”を人・犬・環境の三者から考える

文:尾形聡子


[photo by Nitiphonphat]

一歩家の外に出てみれば、犬にとって気になるものが次々と現れます。行き交う人々、自転車、他の犬、予測できない大きな音、突然背後から迫るベビーカーなど、現代の都市や住宅街は、犬にとってかつてないほど刺激が多く、強い世界になりました。

そして私たち人間は、そんな環境の中で、犬がいつでも落ち着き、穏やかに、適切に振る舞うことを当たり前のように求めています。吠えないこと、引っ張らないこと、興奮しすぎないこと。周囲に迷惑をかけない理想的なふるまいは、年々ハードルが高くなってきていると言えるでしょう。

けれども、犬は本来、刺激に反応しながら生きる動物です。散歩で気になるものを見つけたときに吠えたり、距離をとったり、興奮したりするのは、犬が状況を処理しようとする自然な行動でもあります。ところが、このような反応が「問題」とみなされ、飼い主が悩み、犬との関係性が揺らいでしまうケースも後を絶ちません。

そのような背景もあり、近年、「リアクティブドッグ(Reactive Dog)」や「反応性(Reactivity)」という言葉を耳にするようになってきました。見知らぬ犬や人、急な音、動くものなどに反応して吠えたり、後ずさりしたり、突進したりというような犬の行動を指す表現として広まりつつあります。

しかし、「リアクティブ」という言葉が広く使われるようになってきている反面、その意味は人によって異なります。ある人にとっては「吠えやすい犬」、別の人にとっては「興奮しやすい犬」あるいは「恐怖反応の強い犬」を意味することもあります。学術的にも一般社会でも、定義が統一されておらず、そもそも犬の攻撃性や恐怖行動に比べると、反応性そのものを扱った研究は非常に少ないのが現状です。

では今、私たちが使っているリアクティブとは一体何なのか、犬のどの行動がリアクティブに含まれ、どこからが問題

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