文:藤田りか子
[Photo by Rikako Fujita]
ドッグスポーツをやってみたい、という人は今、着実に増えていると思う。思い返せば30年前、つまり90年代後半あたりから徐々にドッグスポーツが市民権を得始めた印象がある。災害救助犬、ソリ犬やディスクドッグ、アジリティといったスポーツを取り上げる記事が、当時犬雑誌に多く掲載され、誌面を賑わせていた。それまでは、ドッグスポーツは「スポーツ」というよりも警察犬といった職業犬の「訓練」であり、一般の愛犬家が楽しむものという認識はほとんどなかったように思える。
そして近年、ドッグスポーツのレパートリーは増え続ける一方だ。ドッグダンスやフライボールが加わり、かつては警察犬タイプの犬種の参加に限定されていた「服従訓練」も、今では「オビディエンス」という名で新たなドッグスポーツとして仲間入りに。さらにアメリカからはラリーオビディエンスが導入され、従来のオビディエンスに敷居の高さを感じていた人への新しい選択肢となった。アジリティとよく似たフーパーズは今年日本でまずウェビナーを通して紹介された。
加えて、警察犬だけの領域と思われていた嗅覚競技も「ノーズワーク」という名でアメリカや北欧から日本へ上陸し、“万人・万犬が楽しめる” をキャッチフレーズに、愛犬家の間で浸透しつつある(ジャパンノーズワークスポーツクラブはこちらから)。
一方でニッチなドッグスポーツも存在する。たとえばレトリーバー犬種の歴史的作業である「ガンドッグ・スポーツ」。競技会では回収技を競うドッグスポーツだ。日本にも愛好家団体が存在する!ちなみにガンドッグはノーズワークと並んで私も趣味として行っているドッグスポーツだ。
さて、これだけいろいろなドッグスポーツのチョイスがあると、初心者の飼い主さんであれば、
「うちの犬と何かスポーツをしてみたいのだけど…。でもどうやって始めたらいいかわからない」
と途方に暮れる人もいるのでは?そんな方のために、どのようにしてドッグスポーツへのとっかかりを作ればいいのかを