文:藤田りか子
[Photo by Ayla Verschueren]
生食やBARFの話を出すと、よく聞かれるのが
「スウェーデンでは生食はどれほど一般的なのですか?」
というものだ。たしかに、大規模なペットショップに行けば冷凍庫が設置されており、そこには生食用の商品がずらりと並んでいる。こうした状況を見る限り、BARF実践者は決して超レアな飼い主群ではなさそうである。
とはいえ、私の犬仲間の中でBARFダイエットを実際に実践しているのはわずか2人だけ。やはり、スウェーデンでもドッグフード市場においてはドライフードが圧倒的に主流を占めている。
以上はあくまで私の個人的な肌感覚にすぎないが、実際のところの生食事情はどうなのか。本記事では、スウェーデン農業科学大学(SLU)の獣医学部の学生らによる3つの調査から生食を選ぶ動機やその実践、飼い主の意識などを中心に、スウェーデンにおける犬の生食の現状を紹介しよう。