犬の攻撃性について

文:藤田りか子


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どんなに愛犬が優しくて思いやりがある犬でも、攻撃的な行動を一度ならずともどこかで見せたことがあるのではないだろうか。たとえば他の犬におもちゃや食べ物を取られたくなくてウ〜と唸ったり、ソファで寝ているところを邪魔されて歯を剥き出したり。あるいは、相手に怯えて、ガウガウと激しく吠えたてたこともあるかもしれない。

自分が脅かされている、あるいはなんらかの危機を感じたときに攻撃行動は現れる。そして行動の現れ方は、状況に対してどれほど危険を感じているかにもよる。相手を睨むだけのときもあれば襲いかかるときもある。いずれの行動を取るにしても、犬にとって攻撃の目的はただ一つ。

「相手から距離を空ける、相手を遠ざける」

自分が置かれている状況が嫌なら、そう、相手にその場から出て行ってもらうのが一番!

ただし攻撃行動を必ずしも悪と決めつけないように。そしてそれは問題犬だけが見せる行動でもない。なんといっても人だって誰もが攻撃行動を持っているではないか。そしてある人が攻撃的な行いをしたからって「これは問題ありの人間です」と心の病気扱いをされることはないだろう(もちろん程度問題ではあるが)。同様に犬にとっても攻撃行動は犬の自然の一部だ。しかし犬が攻撃行動を見せるとき、人はたいてい何故なのかがわからないことが多い。それで

「この犬はメンタルがおかしいのかもしれない」

とレッテルを貼り出すようになる。もちろん、攻撃行動も度が過ぎれば、人社会で犬が共存していくのが難しくなる。

攻撃という感情への至りやすさは、環境のみならず遺伝も大いに影響している。だからこそ、気質を吟味した上でブリーディングすることはとても大事なのである。

攻撃性の種類

さて、攻撃行動にはいくつかタイプがある。私たちが日常でよく目にする攻撃行動のタイプを以下にリストアップして説明をしたい。

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