文:尾形聡子
[photo by Volodymyr]
作家であり環境保護活動家だった故C.W.ニコル氏。私がニコル氏がどのような人なのかをきちんと知るきっかけになったのは「C・W・ニコルの人生は犬で決まる」を読んでからです。いまでこそ、One welfareとかOne well-beingなどという言葉が使われるようになりましたが、自然と動物とのつながりを大切にしていた彼の活動の原点は、まさにそこにあったのだなと時折思い出します。
ニコル氏は、都市化が進み自然と触れ合う機会が減っている現代社会に暮らす人々が「自然欠乏」に陥ってしまっていることを危惧していました。興味がある方は、医師で解剖学者である養老孟司氏との対談本「「身体」を忘れた日本人」をご一読いただけるといいかと思います。自然との接触が不足してくると、慢性的なストレスや不安感の増加、集中力や注意力の低下、感情的な不安定さの悪化、陽の光を浴びる時間が足りないことによる免疫力の低下やビタミンD生成不足などが生ずることがあるのですが、そのような状態になることを総じて