文:北條美紀
[Photo by Tamas Pap]
ここのところ、「愛着の強さ」なるものが話題になる記事が続いている。そのたびに、愛着が強いって何だ?と思っていたのだが、藤田りか子さんの「科学的検証!〜犬に人の愛は通じるのか?」にあったMDORSテストの「(犬との)感情的な親密度」を測定する項目を見て、なるほどね、と合点がいった。尾形聡子さんの記事「非道徳的人格特性ダークトライアドは犬への愛着の強さと関係性があるか?」の中でも指摘があったように、愛着スタイルを確認しないことには「愛着の強さ」なるものの効果は計れないように思う。
MDORSテストの「感情的な親密度」とペットとの愛着質問紙PAQの比較
(MDORSテストについては、藤田さんの記事に詳しいのでそちらをご確認いただきたい)
ペットの愛着質問紙PAQ(Pet Attachment Questionnaire, Zilcha Manoら, 2011)は、飼い主の回避傾向の程度(回避型愛着スタイルの人は高い)と見捨てられ不安の程度(不安型愛着スタイルの人は高い)を測定する質問項目で構成されている。MDORSテストの「感情的な親密度」を測定する項目と、PAQの見捨てられ不安を測定する項目を比較してみると、共通点が多いことが分かる。
例えば、
MDORS1. 私の犬はつらいときに私の気持ちをサポートしてくれる
MDORS2. 私の犬は慰めてもらいたいときに必ずそこにいてくれる
は、裏を返せば、